SやMをタイプで分けようという試みは毎年新しいものが出ては消えて行っています。
生き残っているのは「誰にでもあてはまる」or「細かすぎる」のどちらかで、他人と共有してもすれ違ったり、そもそも伝わらなかったりという欠点があります。
この辺の不便を解消するには、分かりやすくて、スジが通ったものを考案するしかない!
というわけで、ウンウン考えて、やっと整理ができたので公開します。
今回は「M」編で、2種類あります。
それぞれ
・傾向編
・行動原理編
と銘打って進めていきます。
プレイの事ばっかり言われて迷子になっていたMさん、ぜひお読みください!
* 先に読んでおくと理解が進む参考記事は以下です。
診断その1…好みの傾向編
一口にSMといっても様々なスタイルがあります。
特に初めてパートナーを探そうとしている人は「え?同じSM好きなのに何でこんな違うの??」と壁にぶち当たってしまいます。気の合う人を何とか見つけようと情報を探しても、極めている人たちはともかく、難解な横文字やプレイの話ばかりで通じ合うことができません。
この不便を解消するために、傾向編では、大まかな「ジャンル」で分けてみます。
まずは図を出してみましょう。こちらです!
左側の二つはノーマルな性癖で、上下でテイストが分かれています。普通の人が普通に楽しんでいる甘めエッチと、ちょっと強めなオラオラ系です。オラオラは若干SMと混ざることがありますが、隣に壁を置いて区切ってしまいましょう。
右の4つがMさんの傾向タイプです。
以降では1~4を解説していきます。
また、そもそもノーマルとの壁って何なの?を詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。
【傾向タイプ1】ソフトSM型
ソフトSMはいわゆる痛くない快感重視型SMのことです。
なぜそれがSMなのかというと、軽い拘束をされたり、絶頂後も責められ続けたりして、Mさん側に気持ち良さのブレーキを持たせないからです。
つまり「気持ちよすぎるからやめて」…が通じにくい世界です。
そういう目的があるがゆえに、Mさん側も乱れていい前提になるわけで、相手に変なとこ見せたくないノーマルエッチとは一味違うのがポイントです。SMの中でも人気のジャンルで、ちょっといじめられてみたい…と言った欲望はここに分類されるでしょう。M性感と呼ばれることもあります。
下記記事でも紹介しています。
【傾向タイプ2】凌辱的SM型
難しい感じが出てきましたが、一言で言えば「無理やり感」を楽しむタイプはここです。
特に女性のMさんに多いのが「大事に扱われたくない」という秘密の願望。世の中にまかり通っているレディーファーストの概念を吹き飛ばし、手荒に、好き勝手に性的おもちゃにされたいという方が属します。実はMさんじゃなくてもこういう願望を内部に秘めている女性をちらほら見かけますが、ファンタジーのままで終わるようです。
また、出会い系に現れる男性S(?)はこのタイプに一直線…という人も多いです。要は便利なおもちゃを求めているのですが、もちろんガチの無理やりはアウトで、女性側からはリスキーすぎて敬遠されます。かといって丁寧なSさん過ぎても雰囲気がいまいち…ということで、M女性的には最も叶えにくいジャンルの一つでしょう。オラオラ系と地続きです。
【傾向タイプ3】ハードSM型
もともとSMという言葉はこのジャンルを示していました。
痛いことをする加虐側(S)と、痛いことをされる被虐側(M) という役割に分かれ、スパンキングなどを行います。
アイコニックなジャンルですが人口は多くなく、痛いものはやっぱり敬遠される傾向にあるようです。ところで、痛いのが何で好きなの?と疑問を持つ方は記事後半の「脳タイプと行動原理」をご覧ください。
このタイプがみんな「痛い=気持ちいい」という状態にあるわけではなく、痛みを我慢したあとの爽快感を求めているタイプも少なからず居ます。
当サイトでは一例としてスパンキングの記事があります。
【傾向タイプ4】ぺちゃんこ型
肉体的な痛みとは別に、心の痛みも許容するタイプです。
ダメだと言われて安心したり、そういう環境が好きだというのが特徴です。
世間一般から見ればプライドをぺちゃんこにされているのに近く、何なんだろーと思わせるMさんの特殊型です。
いままであまり語られたことのないMさんのタイプではないでしょうか。
当サイト「白いゾーン」の由来も、こういう名前のついていなかった空白地帯について
このタイプは性癖が変わっているというより、ベースの感情がネガティブでり、病んでる感じがする場合もあります。
このタイプに関しては下記記事も参照ください。
診断その2…脳タイプと行動原理編
人が何かをするとき、そこには何らかの理由が一緒に存在しています。
この理由は行動原理と呼ばれます。
「ご飯を食べる→おなかが減っているから」
みたいな感じですね。
その時々で理由は変わりますが、突き詰めていくと、人間の場合たった一つの行動原理に収束していきます。それは
気持ちいいと感じることを繰り返す
というものです。
そもそも脳みそに備えられた基本の仕組みなので、例外はありません。
自覚的な「気持ちいい~」だけでなく、体が覚えている無意識の心地よさもここに含まれます。
SMでも同じことがいえるわけです。
どんな痛いプレイでも、どこか「気持ちいい」が含まれているはず…
一体、どの部分が当てはまるんでしょうか?
ここから先は行動原理=脳の仕組みをベースに
a、b、c、の 2+1 タイプで診断してみます。
【脳タイプa】快感プラス型 … プレイ中の気持ちよさが好き
脳タイプの一つ目は快感プラス型と名付けましょう。
このタイプのMさんは、プレイ中の気持ちよさが行動原理になります。
分かりやすいことはいいことです。
エッチ自体気持ちいいものではありますが、いざという時には羞恥心やモラルがブレーキになり、快感に集中できないことがあります。
イメージが湧きにくい方は、一人エッチを想像してみてください。
誰にも見らず、好きにしていい分、思う存分気持ちよくなれます。
ただ、気持ちよくなりすぎると手が止まってしまい、それ以上自分で続けることはできません。
一度イったあとの敏感な感覚のまま、休まずに責め続けられたら…頭が真っ白になってしまうかもしれません。
少なくとも「羞恥心やモラル」なんて意識する余裕はなくなるでしょう。
SMはこういう壁を取っ払うためにはちょうどいいわけです。
冷静なあなたが恐れる未知の快楽の中へ、強引に連れて行ってもらえます。
目隠ししたり、手を縛ったり、おもちゃを使ったり、というのもこのタイプに向いています。
ノーマルなエッチとの違いは、自分を抑えるために使っていた頭の中のスペースが空くところです。
普段から「気を使ったり、演じたりすること」が癖になっている人は、そのことだけで、意識の大部分が持っていかれてしまいます。
SMプレイであなたの抑制が取り払われたとしたらどうでしょう?
そのスペースがスコンと空きます。
空いたところに、普段よりもずっとたくさんの快感をプラスで詰め込めるわけです。
ソフトSMにハマる人の気持ちも、分かっちゃいますね。
【脳タイプb】メンタルリセット型…プレイ後の爽快感が好き
SM=痛いのが気持ちよくなる
というのはいかにもな感じですが、衝撃の事実としてごく一部にしか当てはまらないことをお伝えしておきます。
いやいや、じゃあなんでSMなんてするの?そうは言っても本当は気持ちいいんだろ?と思いたくなる気持ちも分からなくはありませんが、実際には痛いものは痛いようです(まぁ、そりゃそうだ…)
なんで?
ご主人様への忠誠心?
違います。
このタイプでは、仕事が忙しいなどの理由でストレスが強まるとSMがしたくなる…といった相関があります。気持ちがぐちゃぐちゃしていると、何とかしたくなります。その手段こそ、プレイが終わった後の「爽快感」なんです。
これを利用してメンタルのリセットを図っているんです。
理屈は割と単純で、人間というのは何かを達成したときに爽快感や幸せを感じて「気持ちよく」なるように出来ています。
中学生のころ、中間テストが終わったあとに「やったーーーー」ってなったことありませんか?
あれです。要は何らかの障害を乗り越えたとき、達成感や解放感が得られるわけです。
SMプレイはまさにこれです。
プレイ中は、ひどい言葉で罵られたリ、叩かれたりして強いプレッシャーがかかります。
もうやめたい…痛い、つらい…やだ…
Mさんの心の中は、素直にネガティブです。
でも、もう少しだけ、もう少しだけ…と我慢していると、やがてプレイは終わりを迎えます。
その瞬間、頭の中にどっと「気持ちいい」があふれ出てきます。心が晴れ晴れして、プレイ前までざわついていた気持ちが、嘘のように落ち着きます。
実際、プレイが終わったからと言って根本的な問題が解決しているわけではないのですが、気持ちが持ち直したことで向き合う元気も出て、好循環に入るケースもあります。
泣くとスッキリする、という理屈も似ていますね。
短い時間で精神的、あるいは肉体的に強いストレスを与えられるのはSM独特の仕組みです。
無意識にこういうことをしている場合もあり、メンタルリセット型のMさん自身、何でSMなんてしているのかわからない…と思っていたりします。理由なんて特に言葉にできないまま
「痛いのが好きです」
「ひどい言葉で傷つけられるのが好きです」
など、理解されづらい表現をしてしまう場合も多く、孤独感が深まります。
(理屈からして、ノーマルセックスもあまり好きじゃなかったり…)
今まであまり語られてこなかった形のMさんたちです。
【脳タイプc】エンドルフィンタイプ…痛い=気持ちいい
3タイプではなく2+1にした理由は、先の2タイプと質的に全く異なるエンドルフィンタイプの存在が理由です。
「マゾ」のイメージそのもので、ある意味最も分かりやすい存在でありながら、実際は極めて少数派です。そもそも、痛い=気持ちいいが想像しにくいですね。ノーマルの人はおろか、理解者であるはずのSですら体感はできないのですから…。
どういうタイプなのか説明しましょう。
人間、痛みを感じると、それを中和するために脳内麻薬(エンドルフィン)が出ます。
通常は痛みと釣り合う程度の量が分泌されるのですが、たまに調節が効かず過剰に出てしまう人が居ます。
過剰であれば痛みを消したうえ、恍惚感までもたらします。
これがエンドルフィンタイプのMさんです。
分泌量は多少は経験で増えたりもしますが、背の高さや目の大きさと同じ、生まれ持った体質にすぎません。
この点で最初の2タイプと異なるのです。
SMの世界に流れ着くのはある意味必然でしょう。
ランナーズハイという言葉を聞いたことがないでしょうか?
マラソンなどの長距離を走っていると、だんだん苦しくなってきてもうダメだとなるのですが、そこから不思議と辛さが消え「いくらでも走れそうだ!」という気分になる現象です。
これもエンドルフィンの効果と言われています。
きっつい痛みを日常で体験することはほとんどないので、Mっ気を全然感じさせない人もいます。
まとめ:全部が混ざりあって、現実世界の「人」になる
Mさんの分類を様々なタイプからまとめてみました。
傾向タイプは性癖を大まかにつかむため、脳タイプはプレイスタイルが合うかどうかの診断に使るでしょう。
こうしてみると、快感プラス型のMさんに痛いことをしても嫌がらたり、メンタルリセット型のMさんにエッチな責めをしてもピンと来てない顔をされたり…という「SMあるある」をうまく一般化できているように思います。
もっとも、書き分けの上ではしっかり区別されているこれらのタイプも、現実には複数の属性を併せ持っている場合が殆どで、たくさんの絵の具を混ぜ合わせた時のように、一人ひとりトーンが違ってきます。
相手の事をよく知り、自分の事もよく知ること、そしてそのきっかけにいろんな考え方に触れるのが、一番大切なことでしょうね。
体験コーナーのPR
当サイト白いゾーンは今まで語りつくされてきたエロ系SMだけでなく
傾向編タイプ4のぺちゃんこ型
脳タイプbのメンタルリセット型
という新たな属性を整理しています。
このタイプはそもそも一般的に受け皿がない場合が殆どで、お相手探に難航、いまいちな性経験ばかり増えていく…という悪循環に遭遇しているかと思います。
満足のコツは「心のどこを痛くされたいのか」「どういうストレスのかけ方がいいのか」の2点で、白いゾーンでは経験に基づくノウハウをしっかり蓄積しています。
(体験された女性の一部がドキュメンタリーで紹介されています)
実際にお会いした女性が、SM体験を決意するまでのドキュメンタリーです。
どんなふうに紐解かれるのか?描写を通して参考になればいいなと思います。
気になった方は、お気軽にメッセージやチャットでご相談くださいね。
もちろん、その他のタイプの方も歓迎です!
コメント