調教願望のあるM女 花菜(20) 学生

奴隷調教体験談 体験女性ドキュメンタリー

男に溺れ続けること

等身大の自分とは何だろう?

少女の頃に憧れた華やかな恋も、温かい愛情も、20歳になるころには少しずつ変わっていく。

「大人の女にならなきゃ」

青春を謳歌し、楽しみたいことを楽しみ、もうすぐ社会人になる。
そこから少ししたら、結婚もするかもしれない。

一番いい瞬間に、一番輝けるように。
それがいつなのかは人によって違うのだが、未来の事なんて分からない。
だから、大多数の人は20代の半ばを目指して、自分自身を調整していく。

一方で、準備が出来ていない女たちもいる。
大学生である花菜も、そんな一人だった。

大人になれないままに、大人になることを強要される。
それは彼女にとって耐えがたい苦痛だった。
体も心も歪めながら抗っていたが、自分一人ではどうにもならない。

彼女の逃げ道は、男だった。
どうにもできない世の中で、彼女が唯一操れるもの。
それは、性欲にまみれた男たちだった。

淫乱な彼女と快楽調教

花菜の過去は暗い。
高校生のころ、手ひどく男に裏切られた。
それから男性不信気味になった。
でも、淋しさもその隣にあった。
自分を受け入れてくれる人を求めた。

彼女はなぜか、援助交際を始めた。
もともとの童顔に加えて、若い肉体は最高の武器になった。
花菜自身の有り余る性欲も味方した。

「一人エッチも好きなんです。見てください…」

乱れながら快楽を求める姿は、男たちが空想した「淫乱な女子高生」の具現化だった。
花菜は自分の欲を満たしながら、元カレのような、どうしようもない男たちを軽々と制圧した。
女体を提示するだけで、それは驚くほど簡単に実行できた。

男って、こんな簡単なの?

彼女の動機は復讐ではない。
でも、みじめにフラれた過去の自分は何とかしたかった。

大学生になったころ、いくらかの罪悪感が、お金に対する執着を上回って、そういうことはやめた。
抑制が効かなかったのは性欲の方である。
仕方がないので、相手は出会い系で探すように変わった。

興味の対象もどんどんと過激なものに変わっていった。
行き着いた先は、SM。
拘束されて、過激な行為をされて、花菜はまた新しい世界を開いた。

身勝手なエッチをする相手であるほどよかった。
女体の繊細さなんて気にせず、AVのようにひたすら責めたてる相手も好んだ。

そうやって、性的に消費されていく自分が苦しいけど、心地よかった。
見知らぬ男とのエッチは自分を傷つけるためのものでもあったから、しっくりとハマった。

こんな事ばっかりしていたらダメだ。

心のどこかで、そう思っていた。
なんとかしたくて、ありのままの過去を男に話してみた。

「大丈夫だよ、花菜ちゃんはいい子だよ」

口をそろえて、みんなそう答えた。
彼女自身は悔いていることが、なぜか肯定される。

何が正しくて何が悪いことなのか、判断ができなくなった。
男たちは、そんな風に混乱している花菜の腕に手錠をはめ、玩具を体内に挿入した。

思いに反して身体は開発されきっていた。
とまどいと違和感は、快楽ですぐに打ち消された。
ダメだ、と思いながら溺れていった。

現実と向き合ったことのない彼女は、現実と戦う手段もまた持っていなかった。

快楽調教と現実の自分

20歳を過ぎて、現実は少しずつ彼女を追い詰めはじめた。
だんだんと、快楽の裏側で、不信感が生まれていた。

いい子な訳がない。

みんな、私の機嫌を取っているだけだ。
この体で、遊ぶために。

いつしか、気づいていた。
コントロールしているつもりの男たちは、あの裏切った彼と、同じなんだ。
私で好き勝手しているだけなんだ。

私は、過去の清算がしたいのに。
そうしなきゃ、すぐそこに来てる未来も向けないのに。

何度もやめようとしたが、ダメだった。
迷ったときは、結局簡単な方を選んだ。
出会い系なんてやめたい、と思いながら、離れられない。

閉塞感、無力感、自己嫌悪。
嫌な感情を忘れさせてくれるための刺激、頭を真っ白にさせる昂り。
私は、変態プレイの慰み者。

それでもいい。
プレイの間だけそう思えた。

しかし、一時的に思考を麻痺させても、時が過ぎればまたネガティブに落ちていく。
だって、私自身は何も変わっていないんだもの。
昔から。

回りに集まる男たちは、自分と同じように、インスタントな快楽を求める子供でしかなかった。
なお悪いことに、穴がある限り、彼女の立場は必ず上になっていた。

私を導いてくれる大人はどこにいるんだろう?
花菜は迷子のまま、空を見上げては嘆いた。

性的堕落

「快楽調教が好きなんです」

彼女は僕にそれを望んだ。
また、頭を真っ白にしてもらうつもりだったのだろう。
今までよりも、ちょっとだけ違う感じの人に。

蔑まれたい、という言葉も口にしていた。
それは「辱められたい」の方が正確かもしれない。
彼女にとっての興奮のスパイスなのだろう。

M女は性欲にあふれた尻軽である。
そういう認識は一般的ですらある。

しかし、いざ対峙してみるとそんな単純なものではない。
歪んだ性癖への不安、Sと称する男性の真摯さへの不安。
見透かしてもらえるのだろうかという甘え。

男慣れしている彼女は、明らかに相手を値踏みしていた。
それは一応の自己防衛なのだろう。
自己評価が低いからといって、相手のレベルも低くていいというわけではない。

ほとんどの輩は、すぐに「下」に分類される。
相手の性欲を自分の身体でコントロールする。

あまりに短絡的な男は避けていた。
危ないし、面白くない。

そういう選択が自分をすり減らすことを経験として知っていた。
だから、自ら卑猥な話題で相手を誘う。
まるで踏み絵のように、試す。

僕は彼女のそんな思いに何となく気づいていた。
話しているうちに、違和感が増していく。

この地雷を全部避けた男なら、いいのだろうか?
彼女のほしいものは、本当にその先にあるんだろうか?

「結局、性欲に負けてるのは、お前の方じゃないか」

侮蔑のニュアンスを含んだ言葉に、彼女はかすかに、しかし確実に今までよりも強く反応する。
僕はMの素養を感じとる。
語調を強め、日常では口にするのもはばかられるような酷い罵りの言葉を投げつけていく。

彼女の反応が変わる。
とろけたように、従順に変化する。
彼女が求めていたもの。
それは、男女の間では誰もが避ける、否定。

ダメな私を、ダメと言ってください。
むやみに受け入れるより、きっぱりと劣ったものだと分からせてください…。

初めての調教の日、ホテルの一室で、僕と花菜は向き合っていた。

彼女だけが、裸になっていた。
髪の毛を掴まれ、強制的に上を向かされていた。
体を丸くして、その小柄な体を隠すことは、できない。

「やっ…」

抵抗になっていない抵抗をしながら、花菜の胸は、不安と期待で張り裂けそうになっていた。

性欲に負け続けた今まで

性欲に関していえば、花菜は単純に過多な女である。
そして我慢を知らない。
気持ちよくなれるだけ気持ちよくなりたいし、それはなるべくすぐに手に入ったほうがいい。
彼女にとっての快楽欲求は、枯れない泉が溢れ続けるかのようだった。

空腹でもないのに、美味しいからと言って何かを食べ続けている人は、周りからどう見られるだろう?
「欲深い」「あさましい」内心、そう思っている人もいるかもしれない。
己の欲望をコントロールできずに、必要以上に求め続けるということは、卑しいことなのである。

性に関しては、この眼は特に厳しい。

清廉潔白で奥ゆかしいこと。
卑しくならないこと。

花菜が一番できないことだった。


経験人数は30人以上で、SM歴は10代から。
好きなプレイは快楽責め。

「SMは好きなんです。でも、痛いのとかはほとんどないです。ご主人様には、快楽責めをしていただいていました」

言葉はSMでも、よくよく話を聞いてみると、豊富なのはどうもセックスの経験ばかりであることが伺い知れた。

本当にご主人様と呼べる人は、実はいなかったんじゃないか?

僕の問いに、彼女はハッとしたようだった。
思い出を手繰り、過去の経験を振り返ってみると確かにその通りだったからだ。
「プレイ」 はしたことがあっても、頭からのめり込むような 「支配」 はされたことがない。

彼女にとってのSMは、男の射精道具になることだった。

自分を貶めて、傷つけて、切り取って差し出すほど、許された気分になる。

堕ちたプライドの分だけ、後ろめたい気持ちは減った。
相手を満足させた分は自分も取り分を取っていい。そう思えた。

奴隷、という言葉は彼女の憧れだった。
人間じゃないなら、人間としてダメな事なんて気にしなくていい。

インスタントな快楽の強さが更新されるたび、空虚な満足感を得た。

自分がどれくらい気持ちよくなれるか?
へりくだって、相手の欲求を満足させながら、実質的にそういうことになるように仕向けた。
その焦点は、常に自分自身に向けられていた。
反応の良い女体を愉しむ自称「ご主人様」のことは、どこか冷めた目で見つづけていた。

しょせん、自分と同じ快楽中毒なのである。

支配欲、征服欲。そんなものは無価値だと思いながらも、表面上は喜んで受け入れた。
虚栄心を利用するのは簡単だった。

援助交際
出会い系
SM

何が違うんだろう、と花菜は思った。
ご主人様も奴隷も、同じような枠に入ったものに過ぎなかった。

「セックスという上っ面で満足していたふりをしていたけれど」
「本当に見てもらいたい部分はいつだって、見破ってもらえなかったから」

というのは、後から花菜が語った言葉だ。

自分の性欲のための男たち

ホテルの部屋に入り、体が触れ合う距離まで近づくと、花菜はすぐに女の顔になり、抱きしめてほしいと言った。
大事にして、愛してほしい。
顔を寄せて、キスをせがんだ

半ば、それは自動的だった。
男に受け入れられるための所作。快楽を得るための方法。
見せられない欲望にフタをするための、まやかしの欲望。
空虚な我慢の代償として与えられる、快楽の保証。

好かれれば、私のしてもらいたいことをしてもらえるから。

花菜の打算が透けて見えるようで、僕は少しうんざりしていた。
キスなんてしないし、愛しもしない。
僕の断りの言葉に、彼女はきょとんとした。

「ダメ??ですか…???」

困惑がその顔に浮かぶ。

「で、でも」
「私は、不安なんです」
「これっきり…一回だけで終わってしまうとか、そういうのが…」

捨てられる不安。
たくさんの男たちから学んだ、苦い経験。

一人ぼっちは、淋しいから。
不安で、押しつぶされそうになるから。

だから、一回きりにしないでください。

逃げたい。
過去の自分から。

「繰り返したいの?」

僕の問いかけに、花菜は別の感情を思い出す。
哀願の陰、かすかな意思の表情が浮かぶ。

変わりたい。
使い捨てだった自分から。

「セックスするために会ったんじゃないよ」

花菜はいよいよ混乱する。

今までの男たちとは、違う展開。
彼女にとって、確かな価値だった性。
それが、必要ない?

「でも、しないんですか?」

不確かなものを確かめるように、僕の目を覗きこむ。
相手への興味ではない。
分からない、という不安を、どこかに蹴り飛ばすために。

「するよ」

僕は答える。

「お前の躾けを、ね。」

はっとして、花菜がうつむく。
反応したのは、女としての彼女の内側にいる
小さな小さな子供の自分。

女でもない。
大人でもない。

あの頃に置き忘れてきた、無力な自分。

「で、返事は?」

問いかけに、静寂が張り詰める。

どっち。

返事。

私の。

花菜の内側に湧き上がる感情が、断片的に、言葉になる。
時間が止まったと錯覚するくらいに、ぎりぎりまで自分の内側と対峙する。

いやだ。

もう傷つきたくない。

しないで逃げる?

変わらない。

繰り返すわたし

繰り返す?

かわりたい

かわらない?

変わるかもしれない

変わりたい。

選ばなきゃ。

これからの私を。

無限に続くかのような、決断までの時間。
ぽとり、と崖から落ちそうになる感覚。

そうしないと、辿り着かない答え。

答えは、決まっているのだ。
そのために、傷ついて、打ちのめされて、ボロボロになっても、歩き続けることをやめなかった。

今が、その時なんだ。

静寂を破って、花菜が答えた。

「…はい、躾けてほしいです」

ずっと蓋をしていた自分。
初めて現れた、男のための女ではない自分。

「お願いします…」

どこかで夢見ていた、本当のSM。
この人に、私自身を、委ねるんだ…。

汚い心の裸の自分

彼女にとって、一番見たくないもの。
それは?

儀式が済み、冒頭のシーンに舞い戻る。

脱げ、と命じられた彼女は、どうしようもなくそうした。

今までとは違う。
相手の男は、何も脱いでいない。

私だけが、一人、裸。

一糸まとわぬ姿のまま、私はそのままま、少し間を置く。

時間を置けば、裸になる、といった行為自体の興奮が収まってくる。
彼女の頭には余裕が出来てきて、考えだすだろう。
今の自分が置かれている、状況を。

1分も過ぎたころ、花菜がぶるっと震えた。

「…どうした。寒いのか?」

「いえ…なんだか、勝手に反応しちゃって…」

そのまま、何もしないで待つ。

花菜の震えは次第に大きく、頻回になっていく。
膝の力まで抜けてきたようだ。
時々、がくりと腰を落とすようになる。

「どうした。」

「うう…わかりません…ごめんなさい」

「立ってられないなら、支えようか」

髪の毛をつかみ、ゆっくりと引き上げる。

「あっ」

花菜の背筋が伸びていく。
体を隠そうと丸まっていたものが、強制的に、形を変えられていく。

太ももに、きらりとした粘液が見えた。
いつからか、股間から流れ出た透明な粘液が、糸を引いて太腿まで伝っていたからだ。

「どうしてそんなに濡らしているの?」

「分かりません…ごめんなさい…」

分からないわけではないだろう。
未知の快楽が、そこにあると、期待している。

僕は、そのまま花菜を洗面所に引っ張っていった。

乱暴で、いい。
なるべく、粗雑に。
優しさなんて、感じないように。

連行されるように、花菜は歩かされる。
そして、立ち止まった先にあるものを認める。

「っ…!」

反射的に、顔を伏せる。
見ないようにする。
見たくない私が、そこにいるから。

目の前に、鏡がある。

でも、髪の毛を引っぱられたらそうもいかない。

「うあっ!」

俯いていた花菜の顔が正面に直される。
きつく、その眼は閉じられている。

「目を、開けなさい」

しばらくの時間をおいて、おそるおそる、瞼が開いていく。
その光景が、像を結んでいく。

そこには、男女が並んで映っている。
片方は、何も肌を晒していない。来た時のまま、変わらず服を着て、乱れた個所もない。
片方は、何も着ていない。体中を、余すとこなく晒しながら、髪の毛を掴まれている。

支配と、被支配。

一見しただけで、それは明らかだった。

見たら、分かってしまうから。
私が、どうしようもない、弱い存在だって。

どうしたって、気づいてしまう。
もう、男の性欲を弄んで、見下していた私じゃない。
男に支配された、ただちっぽけな女なんだ、って。

残酷に、命令する。

「目を開けろ。これがお前の、本当の姿なんだ」

言われて身を強張らせる。
出来ない。

「自分の立場を言ってみろ」

「…奴隷、です」

消え入りそうな声で答えた。

「なら、命令通りに、目を開けろ」

命令。
私はそれを、聞かなくちゃ。

モノだから。
自分の意思よりも、ご主人様の意志に、応えなくては。

辺りには、静寂が落ちる。
花菜は、耳の周りまで、ぐーっと掴まれているかのように、熱さを感じた。
ごうごうと、血の巡る音が聞こえた。

恐る恐る、瞼を上げる。

鏡。

目の前の鏡に、映っていた。

惨めで、情けない、自分の姿。

くしゃくしゃに乱され、他人に支配された、負け犬。

私。

やっぱり、そうだったんだ。

こんな風になるのが、本当は、当たり前だったんだ。

心の中に、何かがすとんと、落ちた気がした。

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