あまり言語化されてきませんでしたが、SMを前提とする関係には、SM的関係とSMプレイをする関係があります。
例えば、スパンカーとスパンキー、縄師と受け手などは、SMプレイをする関係であると言えます。
ご主人様と奴隷、飼い主とペット、などはSM的関係であるといえます。
二つの関係は同時に持つ場合もあります。
SMプレイをする関係の人がSM的関係を同時に持つ場合もあるでしょうし、
SM的関係のひとがSMプレイをする関係になることもあるでしょう。
のっけからややこしくてすみません。
SMプレイをする関係とは何か
分かりやすいほうから解説していきます。
SMプレイは行為そのものを指します。
お尻を叩いたり、縄で縛ったり、目隠しと手錠をしたりします。
SMプレイは愛好者同士ですることもあるし、ノーマルの恋人同士ですることもあります。
そう、SでもMでもなくても、SMプレイをする可能性があります。
どんな行為がSMプレイに該当するのか、きっちり区分けすることはできません。
原義的には、痛いとか苦しいとか、肉体的に追い詰めるようなものはSMプレイとしても差し支え無さそうです。ちょっと意味を拡張して、精神的に追い詰めるようなものも含めてもいいかもしれません。この辺りはジャンルの切り方にもよります。
SMプレイをする関係の人は、SMプレイをします。
(ややこしい!)
SM的関係とは何か
SM的な関係は上下関係を軸とした関係で、プレイの有無は関係ありません。
ノーマルなエッチしかしない場合でも、SM的関係を築くケースはあります。
なので、SM的関係の人は、SMプレイを必ずしもしません。
SM的な関係は、そういう気質の二人が揃わないと成立しないでしょう。
ノーマル同士はSM的関係にはなりません。
D/s はどちらかというとSMプレイの種類に属する類型ですが、SM的関係を指して用いられる場合もあるようです。
精神的な関係、などもSM的関係の一種でしょう。
ケーススタディ
SM的関係にある人がSMプレイをした場合、文句なくSMをしていると言えるでしょう。
SM的関係にない人がSMプレイをした場合、これもまたSMをしていると言えるでしょう。
ノーマルの人が興味ですることもあるでしょうし、ワンナイトラブでたまたまとか、風俗で体験してみた、というようなシーンも該当します。
この関係は、プレイそのものを楽しむのが目的になりますから、わりあいカラッとした感じの付き合いになりやすいです。
SM的関係にある人がSMプレイをしない場合は、SMをしている…というのは理解を得られないかもしれません。
このケースは、当人らの主観が「SMである」というだけだからです。もっとも、SMプレイをしてるかしてないかは普通分からないので、無意味な区分けかもしれません。
この関係は、ウェットな繋がりを重視することになります。
この話の意味は?
SMプレイをしたいのか、SM的関係を持ちたいのかを区別して考えることで、すれ違いを少なく出来るという効果があります。
恋人のようにとか、絆を求めて…みたいなケースは、SM的関係を持ちたい願望と言えます。
スパンキングしてみたい、痛いことで気持ちよくなってみたい..というケースは、単純にSMプレイをしたいと言った方が通りがよくなります。
体験ドキュメンタリーを見てみると、二つの願望はいつも重ね合わせた状態になっていることが分かります。
とはいえ、SMプレイを重視しているのか、SM的関係を重視しているのかはある程度読み取れるかと思います。
僕は最近、体験相談を受けるときはこの比重に注意するようにしています。
カラッとした関係が合う人もいれば、ウェットな関係が合う人もいて、この方向性を見誤ると、よい体験になりにくいからです。
色々な人に、好きな距離感で楽しんでもらえたら嬉しいです。
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