SMという言葉は難しい
ひとくちにSMと言っても、それはムチとローソクのSMプレイのことだったり、SM的な上下関係のことだったり、SMアイテムは一切出てこない強めのエロのことだったりします。
人それぞれ、といってしまえばそれまでですが、もうちょっと丁寧に言葉を定義すれば便利そうです。
この記事では、SMとSMプレイについて切り分けて考えてみます。
記事名について、自分で有料級と言うのも何かモヤモヤしますが、すべては運営費のためでして…たしかに有料級かも？と思った方はぜひご寄付をお願い申し上げます。
SMって何なの？？
SMは性癖としては希少な、歴史や文化を備えた世界です。
発祥はマルキ・ド・サドという著者の書いた小説と言われています。
なんと1700年代に書かれたものなので、300年の歴史を誇っていることになります。スゴイ！
そしていつしかSMは日本にも入ってきて、そのときにまたちょっとアレンジされて、ムチやローソクのアイコニックなイメージがつきました。
こちらの記事にも解説がありますが、元は加虐、被虐に別れたプレイを表すものでした。
とはいえ、加虐側が優位に立つことに疑いはなく、そこで上下関係的な概念も付随してきます。
SMというエロジャンル
加虐被虐はそういうものとして、今度はこの上下関係に着目して、エロのジャンルとしても発展してきました。
セックスにも元々上下的な概念があります。気分的なものを置いておいても、物理的にも（体位的にも）だいたい男性が上になります。
元々、エッチなものは上下を連想しがちなものなのです。さらにSM的な明文化された上下関係がそこに乗っかり、男性が女性を支配的に扱うような強めのエッチをSMジャンルとして捉えるようにもなりました。
アダルト動画サイトではだいたい「SM」カテゴリがあって、そこを覗いてみれば上記のようなことは明らかです。
むしろ、ムチとローソクのほうが出てこないでしょう。
（こっちのが別ジャンルになってしまいそうな…）
ちょっと陵辱感が強かったり、過激だったり、いずれにしよ一方的な感じがSMというエロジャンルです。
ただエッチしてるだけでこれはSMじゃない、って言うこともできるんですけど、一方的なエッチ=SM で巨大なマーケットが成立しているし、一般的な認知もこの定義に寄っていると考えるのが自然です。
SMとSMプレイの違い
それだけじゃ普通のエロと区別がつきにくいけどどうしよう？
本来的なSMはなんて言えば伝わるの？
答えは簡単で、SMプレイと言えばいいわけです。
SMというジャンルに、SMプレイと言う中身が含まれてるわけですね。
ただSMというとエロジャンルなのかSMっぽいことをするのか区別がつきにくいですが、SMプレイだと言うならうまく切り分けられます。
スーパーで買い物をするとき、生鮮食品コーナーがあったり、お菓子コーナーがあったりします。
コーナー＝ジャンル です。
お菓子コーナーの陳列棚にはお菓子っぽくないものも並べられていることがあります。
でも、本当にそこなのかよ？みたいな商品が混ざっていても、全体としてはまとまっています。
ジャンル分けがないと探す側は探しにくいし、並べる側もどこに並べていいか分かりません。
そこに並ぶ商品は定番もあれば入れ替わるものもあります。ヒット商品が出れば、ジャンルの傾向自体が変わります。
定義が入れ替わったり、全く新しいものが増えたりするのです。
SMジャンル（SMカテゴリー）もそういうものです。
エロの1ジャンルとしてとらえた方が自然だし、その中も流動的に変わってますということで矛盾しません。
SMプレイって何なの？
ではどんなものがSMプレイなのか？
ムチとローソクです。とサクッと言えればいいんですけど、もう少し細分化できます。
広い意味でのSMプレイと、本来的な意味でのSMプレイです。
本来的なやつ…オーセンティックSMプレイとでも言いましょうか。
ムチとか縄とかローソクとかのアイコニックなやつはオーセンティックSMプレイです。
プレイ自体に歴史があったり、お作法があったり、探せばもう、ベテランや詳しい方が語ってくれてます。
広い意味のSMプレイとは何なのか？というのは難しい問題ですが、おおむね「ノーマルの人はあんまりやらないようなアブノーマルプレイ」は何でもSMプレイに分類されうるといえます。
普通のエロから派生してきて、SMジャンルに定着したものですね。
フェチやマニアックなプレイももうSMでいいやくらいに分類されていることがあります。
（白いゾーンのソフトSM記事は、この広い意味の方です）
なので、SMらしいSMを表現する正確な単語は「本来のSMプレイ」かもしれません。
オーセンティクです。
本来的なものというのはそこに歴史があります。最近ぽっと出てきたものは、本来的とは言えないでしょう。
まあ、日本SM協会みたいな組織があるわけじゃあないので（あったらごめんよ…）ノーマルエロの外側にあるものはSMと言っても別にいいわけです。
性癖がSである、性癖がMである
性癖がSまたはMである場合は、すなわちSMプレイを好むということになります。
SMプレイの中には練習やテクニックの理解が必要なものがあり、これは一朝一夕ではできませんから愛好者同士で相手を見つけることになります。
SM的な関係性
もう一つの側面は、関係性です。
SM的な関係性は、上下関係に集約されます。
上下関係は、恋愛的な好き嫌いとは別の次元の話です。
二つを切り分けて考えることで、恋愛じゃないけど付き従う、などの深みのある関係を表現できます。
D/sとかドミサブのこととも違います。
切り分けた言葉を使いたい場合、トップとボトムなどと表現します。
上に立つ側がトップ、下になる側がボトムです。
関係性の好みについて
トップとボトムに別れたうえで、様々な趣向の関係性を持つことができます。
関係性の好みに関しては、色々な横文字があり、これでまあ大体カバーできてる気がします。
ただ、横文字（カタカナ）で性癖を表現するとたいていの場合はすれ違うので、好みを語る場合は頑張って自分の言葉で語りましょう。
性格的にSっぽい、性格的にMっぽい
関係性はお互いの状態を表してますが、それとはまた別にご本人の性格というものがあります。パーソナリティです。
性格がSっぽいとかMっぽいと言われたり、自分で思っている方は多いでしょう。
白いゾーンは”性格的にMっぽい”人のためのサイトです。
SMジャンルを好んだり、その作品中に登場するような人たちは、
・SMプレイをする
・Sっぽい、Mっぽい人がしそうなエッチなことをする
の、どちらかです。
性格がSかMだ、というのは必ずしもSMプレイはしないんだけど、SM的な関係を好みやすい、またはもともとそこに収まろうとする気質がある、というようなことです。
エッチ自体はノーマルだけど、主導権は取られたい…と言った場合は、SM性癖はないけど、Mっぽい性格であると言えます。
（性癖がSMっていうのは、要はSMプレイを好むということです）
真にSなのかMなのかみたいな指標があるのかというと、ありません。
ただ、もっとも公的な言葉に近づいた瞬間は、病名として定義されかけたときでしょう。
曖昧過ぎて、結局成立はしませんでしたが…
パーソナリティ診断に出てくる「マゾヒスト」は、病名的なマゾヒストです。
特定のシーンでとる行動が「わざわざ不利なもの」でありがちで、しかもそれが生活に不利な影響を及ぼしていたら病的なマゾです。
このへんを薄めていくと「Mっぽい」という概念になるんでしょうね。
まとめ
というわけで、SMジャンルとSMプレイと、関係性、性格のつながりについてまとめてみました。
SM界隈？では結構「それはSMとはいえない！」みたいな声が上がることは多い印象です。
一方で、じゃあ何がSMなのか？区別するにはどうしたらいいのか？というのは宙ぶらりんなままだったりするので、お互い否定しちゃうんじゃなくてこういうことだよね。っていうのを考えやすくなってほしくてこの記事を書きました。
そして、全部書き終わってからサイト内に類似の記事があることに気づきました…
僕はもう、自分でもどこに何を書いたのかわかりません。似てるのとか、ここにもリンクが貼れるよとか、教えて、読者様！
白いゾーンは、みなさんの快適な性生活を応援しています。
コメント