人と違う性癖、生き方。自己否定と劣等感に思い悩む女性のための話

自罰的M女(アーカイブ)

自己否定から始まる諸問題

前記事 “ドMがメンヘラ扱いされ、辛くなって病んでしまう話”の続きである。

他人とのズレにより生まれた自己否定は、どこかで誰かが、あるいは自分自身が「別にそれで問題ない」と気づき、ネガティブな価値観をリセットするまで続いていく。

これは、一見簡単に見えて中々できない。自分が普通ではない、他の女子との差がある、と認めることは、思春期の彼女らにとって大変に難しい。
周りと同じでない、という事実は不安を生む。
その不安を解消するために、同じになろうと努力する。

でも、やっぱり同じになれなくて、悩む。

劣等感のループは、ひたすらに悪循環を生み、どんどん自尊心が下がっていく。
それが気になって、明るく楽し気に振る舞えない自分に、気分は落ちるとこまで落ちる。

”生まれ育った場所から出たことのない女が、隠れM女になる話 ” のAのように、固定された環境と、自由のない毎日の中では、自信を取り戻すきっかけが訪れない。
唯一の突破口があるとすれば、恋愛とセックスである。
気になっていた男の子、憧れの先輩。なけなしの勇気を振り絞って告白し、やっとOKをもらった後にも障壁が待ち構えている。

「恋愛」がよく分からない。
もともと、他人との差に悩んでいる彼女たちは、個性や価値観の差を最も強く意識せざるを得ない恋人という存在に対し、うまく距離を取ることが出来ない。
まるでハリネズミのように、寒さに凍える身体をなんとか温めようと距離を縮め、相手を傷つけ、慌てて距離を離す。
相手もハリネズミタイプだと最悪だ。

結局、ハリネズミたちは少しだけ離れたところに、適当な距離感を見つけるが、不安感に苛まれている彼女たちにとって、べったりとくっつけないことは、不安でしかない。

受け入れられた経験が無いから、どの辺から受け入れられているのかがよく分からないからだ。
とりあえず距離0にしようと奮闘した結果、相手には重い、面倒くさいと言った扱いをされ、また傷を増やす。

エッチでも問題がある。

” 好きなのに、気持ちよくない女性心理 ”
でも述べたように、安心していなければ、気持ちよくもなれない。 

彼女らの場合、他人に安心させられるどころか、自分で自分を安心させることができず、自慰の時ほどの快楽が得られないかもしれない。
一部には「相性」が合わなかったのかもしれないと考えて、とっかえひっかえ相手を変えるタイプもいる。が、やはり十分な満足感は得られずより悩みを深めたりする。
彼女らが安心できる相手がいるとすれば、それは自分よりも俗物な人間だ。都合の良いことに、少し探せば性欲を持て余した男はすぐに発見でき、彼らのことは女体をちらつかせることでかなり自由にコントロールできる。


そうして回数を重ねるうちに刺激中毒になり、ぬるい興奮では満足できず、破滅的なエッチにますますのめり込んでいく。

良い方向に変わるきっかけは、いつ訪れる?

良い方向への変化について、まともなきっかけが訪れるのは、少し歳を重ねてからである。


ズレにコンプレックスを抱かなくなる瞬間は、大体同じだ。
「人と違っていてもいい、私は、思ったよりうまくやれる」
そう考えられるようになることが、リセットのきっかけになるのだと思う。
うまく就職し、しかも適性のある仕事につければ、それだけで認められるきっかけは増える。
「周りと違うのはマズイ!人生うまくいかなくなるかも」と思っていたのが
実は社会で生きていく分には不自由しないことが分かり、楽になる。
他にも、学業が優秀だったり、趣味を発信し続けて認められる、幸運にも良い理解者が現れる…などのチャンスはありうる。

だが、多くの人はうまく転換ができない。
圧倒的に孤独で、誰にも理解されないまま、そのまま過ごす。

おそらく、一番ズレや差を感じやすいのは多感な思春期ごろである。認められるためには努力が必要で、努力を積み重ねるためには時間が必要だ。彼女たちにとって「ちょっと待つ」そのこと自体が難しい。時間の経過は永遠に思えるほど長く、未来はモヤがかって、そこに希望があるのかどうかも分からない。
35歳が5年後、40歳になった自分を予測することは難しくないが、
15歳が20歳になった自分を想像するのはとてつもなく難しい。

これは本当につらいと思う。

人と違っていても、大丈夫。それでいい。

長々とネガティブな話ばかり書いて、一体何が言いたいのかというと

「そんな失敗をしていたとしても、それでいいんだ」
という事だ。人生には何をどうしたって、うまくいかない時期もある。ただ、それは貴女のせいではない。夏が暑く、冬が寒いように、ただ単にそういうもの、と思ったほうがいい。
だいたい、もとは他人から植え付けられた劣等感なのだから、そんなに苦しまないでほしい。

「自分を大事にしてね」

そんなアドバイスは、何も響かない。
大事にしてなくたって、構わない。
貴女はもう、できる範囲で最良の方法を取っている。人とは違っていて、それでいいのだ。

先ほど、リセットのきっかけは
「人と違っていてもいい、私は、思ったよりうまくやれる」
そう思えることだと書いた。

Mがピッタリ合ったSに出会って、なんだか救われるのは、そういう理由だ。
他の何もかもがうまくいっていなかったとしても、性という一番深い部分が救われる。

性的に満足しているなんて、人に自慢できるようなことじゃないと思うかもしれない。でも、何か一つでも自信を持つことが一歩目になるから、それでいい。
貴女が何のきっかけもつかめないでいるのなら、管理人にメッセージを送ってみてほしい。その時には、私は何かのきっかけをつかむためのお手伝いをしたいと思う。
孤独で、生きにくい、でも人には言えないそんな隠れたM女のためにに、こんなブログを立ち上げたのだから。

女たちは変わっていく。Mは、ただの性癖の一つに過ぎない。
深い性欲と、刺激への探求心は近しい関係にある。
そして、最も強い刺激を得るための手段は、痛みだったりする。
人によっては、羞恥かもしれない、支配かもしれない。

あなたの抱いている興味は、まっとうなものだ。
一般的な人とは違うかもしれないが、別に違ったっていい

その結果、表出する行動はさまざまである。
行き過ぎて、おかしなことをしてしまう人も居るかもしれない

死にたいくらい悩んでいたって、前を向ける瞬間は必ず来る。
私は貴女の覚悟を引き出せるように、気持ちを堀り起こしていく。覚悟というのは、自分の責任で、自分の身体と、気持ちをコントロールする意思。

貴女を変えるのは、それだけだ。他の何物でもない。
たまたま、これを読んで、あてはまって、そして勇気を出して行動してくれた方。
そんな「隠れM女」が、一人でも多く救われることを祈っている。

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