SMと恋愛は両立できない?幸せなカップルになるために必要な事

ノーマルとの違い

SM的関係でも恋したい!

世の中には大勢のSMカップルがいます。でも、どのカップルさんもどこか「恋愛」から一歩距離を置いているような印象を受けます。SMだから、ご主人様だから…深く心を通わせているはずの異性がすごく近くに居るのに、なぜかその先には一歩進むことができない…。
むしろ、距離を縮めること自体怖がっているような節もあるのです。

SMと恋愛は両立しないのでしょうか?
本記事では、SMによくある「こうあるべき」という誤解を解きながら、恋愛関係としても持続可能なスタイルを考えてみます。

ご主人様編

数あるSMの悩みの中で、最も考えることが多いのは「ご主人様」のことではないでしょうか。
時にはサディスト、時には恋人…
異性として様々な形で向き合うことになります。

ところで、どうして「彼氏」ではないんでしょう?

Mさんを調教する人=ご主人様

こう書いてみるのは簡単ですが、何か特別なことをしているのでしょうか?
今回は、初めてSMにトライする「Aちゃん」をモデルに、実際のご主人様の行動を見ながら紐解いていきます。

ご主人様編: モデルケース…Aの調教(前半)

Aは、中学生くらいでひとりエッチを覚えました。
ちょっと、しすぎかな…と思いつつも年を重ね、大人になった今、性欲はむしろ増加傾向。
スマホ片手にネタもどんどん過激になっていきます。

うしろめたさを感じて、抑えて、感じて…を繰り返す彼女。
いつしかお気に入りの妄想が「いつも一人でしている、淫乱な自分が周りにバレてしまうこと」になりました。

もちろん、積極的に叶えるつもりはなくて、あくまで妄想…のつもりでした。
(自分の頭の中でどんなことを考えようと、私の自由じゃない?)

退屈な日常とちょっとアブノーマルな妄想の間をぐるぐるしていた時、ふとしたきっかけから一人の男性と出会います。
ゆっくりと話をしながらだんだんといい雰囲気に…
Aの胸がキュンと鳴ったころ、Sっ気があるという彼は、何とこんなことを言ってきたのです。

「一人エッチ、目の前でしてみてよ。見ててあげるから」

え?そんな?ほんとに??
Aは嬉しい悲鳴を上げます。
もちろん、ハイ喜んで!というわけにはいきません笑
妄想が現実に叶いそうになっても、普通に考えればやはり「いけない」という思いが先に立ちます。

「そんなこと言われても…」

ダメです、と断るAでしたが、彼は納得しません。
する、しないの押し問答が続いた後、彼は言いました。

「分かってるよ。普通は人には見せられないよね。
でも、これは命令だから。僕に従ってね」

命令…

AのMっ気にその一言が刺さり、思わず無言になってしまいます。
さっきまでとは悩みの意味が変わってきました。
チャンスなのかもしれない。Aの好奇心がどんどん膨らんでいきます。

だって、命令だもの
いやらしいのは、私のせいじゃない…

ぐるぐる回る思考。
熱くなっていく頭。

呼吸をするのも忘れそうになって。

ついにAは小さくコクンと、頷いたのでした…

ご主人様編:モデルケース…Aの調教(後半)

下着姿になったAを、彼は黙って見つめています。
Aはそのせいで、想像よりもずっと興奮してしまいました。
いやらしいね…などの時々かけられる言葉も、何とも言えず心地よくて。
あっという間に上り詰めたAは、半分とろけながら、理想が叶った幸せをかみしめました。
(そして、理解してもらったぶん、彼の欲望にも寄り添いたいと思いました)

全てを見透かされた彼女は、そのままSMの世界に引き込まれ…ませんでした。
現実は官能小説とは違います。
Aの日常はその後も続くのです。

事が終わってからも、夢見心地のままでした。
自宅に着いても余韻は冷めず、自然と手が内腿へ伸びました。
うっとりとした一人の時間を楽しんだあと、彼女は唐突に賢者の心持ちに変わります。

「何てことしたんだろう私…あんなの絶対ダメじゃん…」

もはや恥ずかしさの質は全く変わっています。
甘く胸をくすぐっていた羞恥心ではなく、人として取り返しがつかないことをしてしまったという後悔が入り混じります。

自己嫌悪の始まりです。

誰もいない部屋でたった一人、あなたの事を絶え間なく責め立てる人がいます。
A自身です。
彼女自身が築き上げたモラルが、新顔の「性の悪魔」と強烈にぶつかり合います。

ああ、どうしよう…
何であんなことしちゃったんだろう…

頭を抱えていると、ピーン!という音がスマホから鳴り、Aは跳ね上がりました。
彼からの連絡です。

あわわ

「違うの!あれは…」

焦って色々余計な言い訳までしてしまいます。

でも、彼はあなたの話をゆっくりと聞き、最後に
「可愛かったよ。そういうのも、いいんじゃないかな」
と言いました。

いいわけない…

Aはそう言いかけながら、なぜか安心感を覚えました。
そして、二度と顔なんて見せられないと思っていた彼と、もう一度会う約束をしました。

ご主人様編:解説

時系列を追って、まずはAがなぜ一人エッチをOKしたのかを考えましょう。
最初の誘いでAは若干揺れかけましたが、性的モラルを優先しNG寄りの返事を続けています。
しかし、彼の「命令」という一言でOKに変わります。

後半パートでも同じような描写があります。
全てが過ぎ去ったあと、我に返ったAの中で「欲望を優先する自分」と「モラルを守る自分」が天使と悪魔さながらの戦いを繰り広げています。

天使たる「モラルを守るA」はとても手ごわく、滅多なことでは負けません。
常日頃から、卑猥な妄想をするA自身を責め立てています。
Aは時折、その板挟みに苦しみます。

前半パートで出た彼からの命令は、Aの心を解放します。
モラルと戦う相手は、A自身から「ご主人様」に変わるのです。

目の前に彼が居る限り、Aが責め立てられることはありません。
残ったのは「欲望を優先する自分」
Aの中の決着はつき、返事がOKに変わります。

そして、家に帰ってからAは一人でモゾモゾし、もう一度モラルとの戦いが始まります。
今度は彼が居ませんし、そもそもすっかり欲望に負けた後なので、言い訳もできません。
「モラルのA」にすっかりボコボコにされています。

そう、欲望を叶えることは、悪いことだった。

Aはそう思い知ります。

このまま終わるか…と思っていたその時、ご主人様が再登場し、もう一度、A自身を守ってくれます。

ご主人様編:まとめ…ご主人様は、Mさん自身を守ってくれる人

どこか、Aと自分が重なる読者さんもいるかもしれません。

常日頃から「欲望の自分」と「モラルの自分」は存在しており、性という秘め事の時間には特に活動的になります。うまく両者が折り合いをつけられないままで過ごすと、心のつじつまが合わなくなり、辛くなってしまいます。アブノーマルな趣味を持っている場合は余計に隠さなくてはいけなくなり、かなりのストレスです。

ご主人様の役割は明確です。
Mさんのモラル(の一部)を代わりに引き受け、自分自身と向き合う余裕を作ってくれるのです。

そして、このお話には面白い続きがあります。
Aは何度か彼と会っているうち、過剰な一人エッチが治まったらしいのです。
少しずつ自分を見せ、心が軽くなったAは、いつの間にかバランスが取れていったようです。

そう、Aちゃん自身は架空の人物ですが、モデルになった人、はちゃんといます。

ちょっと不思議な、ご主人様のお話。
でも、SMの世界では結構見かけるパターンです。

支配と服従編

Sさんからは「支配したい」
Mさんからは「支配されたい、服従したい」
という願望をよく聞きます。

僕も体験記事などで無意識に用いていました。

・そこには、支配されることを心の中で受け入れた一人の女がいた

友里のSM体験より

男なんて…と心を開いていなかった友里が、あるきっかけで態度を変えた瞬間の描写です。
いったい、ここにはどういう意味が込められているのでしょう?
この記事では、SM究極の形…支配について紐解いていきます。

支配と服従編:辞書的意味

支配について、まずは辞書で引いてみましょう。

1 ある地域や組織に勢力・権力を及ぼして、自分の意のままに動かせる状態に置くこと。
2 ある要因が人や物事に影響を及ぼして、その考えや行動を束縛すること。
3 仕事を配分したり、監督・指揮したりして、部下に仕事をさせること。

goo辞書 ”支配

3番目はSMと関係なく、学校では教師、仕事では上司…という形で、普段の生活でも経験しています。
「支配されるのは嫌いだから、相手の言うことは一切聞かない!」…なんてことはないでしょう。
その気はさらさら無くても、合理的な理由があれば相手の意見を受け入れて従うのが社会的なルールでもあります。ミクロで見れば日常の中にも支配と従属の概念は紛れ込んでいます。

ですが、これをSM的な支配と同じに見なすことはないでしょう。
SMにおける支配は、上記のような社会的ルールとは無縁のところにあり、辞書では言い表せられないイメージを含んでいます。特定個人のご主人様に紐づいた、強制感とも異なる、自然な服従状態…

そう、仕事のように嫌々ながらも従ってる場合をSM的支配とは呼ばないのです。つまり
・相手に従う度合い=支配
と考えると、意味が崩壊してしまいます。

ちなみに対義語も調べると

従属
服従

worddraw “支配

となっています。ふむふむ。

支配と服従編:調教との違い

SMでの支配というと、調教から始まり、段階が進んで完全に支配&服従…みたいなイメージがありますが、調教は必ずしも支配の前段階ではないです。

冒頭の文に舞い戻って比較してみましょう。

・そこには、支配されることを受け入れた一人の女がいた
・そこには、調教されることを受け入れた一人の女がいた

後者の文だと、限定的な服従、というニュアンスを感じ取れると思います。

実際のところ、彼女は特に調教を受ける前から、支配と呼べるような変化が起きていました。
具体的には

支配する前:相手の言う事に表面上従いつつ、埒外の事が起きた場合はNOを言う準備をしている
支配された後:NO自体を放棄

といった具合です。
この「No」を放棄はかなり特徴的な概念で、支配の本質をよく表しているように感じます。

支配と服従編:エゴ

友里の変化を表す、別の角度からの言葉はないのでしょうか?
はい、あります。エゴです。

自分の利益を中心に考えて、他人の利益は考えない思考や行動の様式。利己主義。

goo辞書  ”エゴイズム

多少の性格の差はありますが、人間は基本的にエゴで動きます。
たとえば、映画館の出口などを想像してみてください。すごく混み合っています。あなたは他人がどうこうとかはあまり考えず、迷惑にならない程度になるべく早く出ようと動きます。
自分にとって一番得な行動を選択するわけです。
このように利己的な行動をエゴイズムと言います(必ずしも悪いことではなく、普遍的に存在しています)

逆に利他的な行動の例を見てみましょう。
もし映画館に恋人と一緒に居たらどうでしょう?
お先にどうぞと譲るかもしれません。
恋愛ではお互いが強い協力関係にあります。
いくつかの選択肢があった場合、二人の取り分が最大になるように振舞うのです。
エゴイズムは必ずしも優先されません。

支配はさらに奥深くにあります。
エゴが消え去って
・相手にとって一番得のある選択をする状態
がそれにあたります。自分が損してもいいくらいの話です。
何をおいてもご主人様のため。
普通に考えたらあり得ないことでも、ご主人様がそうしたいと思っているのなら、自分の意見(エゴイズム)は関係なくそうします。
敬愛、親愛の情が共存すれば、絵にかいたようなご主人様とMさんのカップルです。

支配される、服従する…とはつまるところ、エゴを捨て去り、Sに寄り添っていくこと…と言えそうです。

支配と服従編:支配と服従とD/sの違い

ちょっと話をややこしくするのはD/sです。
支配されてなくても、意に反しても服従する。またその悔しさを含めて楽しむ…というのもプレイの一つです。これは特にD/sと言います。D/sに対する趣向の強さと、エゴの強弱は関係ありません。


上記記事では分かりやすいように、D/sを「一方通行性」と説明しています。
肉体的な行動を強要され、その過程で(なんで私が…)というエゴを挟みながらも、結果的に言う事を聞くような性癖です。

つまり、D/s=支配
は成り立たず、同時に

縦軸=こころの支配
横軸=肉体の支配

というような図もやはり成り立たないことが分かります。

なぜかって?
心は差し出すけど、体はちょっと…
なんてあるわけないじゃないですか

体を動かしているのは心なんですから…。

支配と服従編:まとめ

支配について紐解いてみました

こういう観点はなかなか面白く
他人同士 – 恋愛関係 – 支配・主従関係
がエゴのグラデーションで繋がることを整理できます。
どんな関係も、この三者の間を、くるくる回っているわけです。

もともと、エゴという言葉はプロ女王様の間ではよく使われていたようです。
つまりSM風俗で働くS女さんと、客であるM男さんの関係です。

この場合、M男さんはお金を払っているわけですから、その分いい思いをしようと振舞います。もちろん、女王様は対価としてそれに応えることはしますが、度が過ぎるとピシャリと跳ねのけ「エゴマゾ!」と罵られ、躾られるわけです。
なんとも歯がゆい、ねじくれた、SMっぽい構図です笑

ブログなどで発信の場が増えると、ベテランはエゴという単語を使いながらSMを解説しようとしてきましたが、エゴ自体が高度な心理学用語で、たいていの場合は意味まではよく分かりませんから「主様はやはり、何か崇高な事を考えている…」といった感じで、Mさんとの溝は開くばかりでした。

また、SMがアダルト動画を介して視覚化されると、M女性はM女性で「男性の性欲を受け止めること=支配されること」のように文脈が変わっています。

この記事は、そんな齟齬をなるべく減らすべく書き下したものです。
読者の方々にとって、支配とエゴ、SMの概念を理解する助けになれたらとても嬉しいです。

おまけ : 支配と服従のさらに先

ちなみにですが、Mさんと一緒に支配する側(ご主人様側)のエゴも消え去った場合、それは「愛」になるようです。

ひえー

私を支配してみろ!

みたいな人、エゴの削りがいがありそうですね笑

SMと恋愛編: 調教完了=ハッピーエンド?

普通の女の子が、ふとしたきっかけから眠っていたM性を引き出される。
モラルとの葛藤に苦しみつつ、自分でも気づかなかった快楽の味を覚えさせられる
やがて女は抵抗することを放棄し「主」に屈服する

「私を奴隷にしてください…」

—調教完了。


SMものによくあるストーリーです。

運命の出会い。
自分自身との戦い
苦しめていた殻を脱ぎ捨てて、ご主人様のモノになる。
そして、長年叶わなかった恋がラストでやっと叶う恋愛映画みたいに、彼女はSMという世界でハッピーエンドを迎える。

完璧です。
物語としては。

でも、我々は現実世界に生きる人間。
実際、こんな流れになったらその後はどうなってしまうのでしょう?

SMと恋愛編:主従関係とは?

SMの世界には「主従関係」という言葉があります。
そういうタイトルの官能小説は昔から多く出回っており、冒頭のようなシーンがどこかに挿入され、絶対的な支配者である主に、Mさんが服従し続ける…と言った展開です。

淫猥であると同時に、どこかロマンティックな気持ちにもなります。
その中に、上下関係の絶対性だけでなく、永続性というテーマが潜んでいるからです。
主は死ぬまで主、従者は死ぬまで従者…

主従関係という言葉を使った瞬間に「契約」の如き外的強制力すら感じます。
お互いの気持ちだけですべてが決まる恋愛とは違うのです。

以下では、典型的なイメージの主従関係が進行した場合、実際どうなるのかを考えます。

SMと恋愛編:パターン1…性奴隷化

セフレになる、性奴隷になる、肉便器になる…
もともとそんな性向をもつMさんが「SM調教」のゴールにこんな姿を思い描く場合は多いでしょう(冒頭のパターンと一緒ですね)
これはこれで一つの夢を叶えており、本人が良ければそれはそれでハッピーエンドです。

よろしくないのは、その気のないMさんを、S側の好みで性奴隷化していった場合です。
たぶん最初の方で、Mさんから「…調教したあとってどうなるんでしょう?」みたいな疑問が投げかけられると思いますが「それは調教されてみると分かりますよ…」などと適当にはぐらかされる場合が殆どで、SMの暗部になっています。

男性S(ほんとか?)が、性欲の滾りいつでもどこでも解消できるよう「調教」をしておくわけです。

このようなエロが目的化した場合どうなるかは「ご主人様編」ですでに考察しています。
性奴隷としての日常がもしあったとして、そこに刹那的な美しさを見ることできます。
しかし、普通の目で見たら人間性の後退でしょう。

SMと恋愛編:パターン2… 精神的な融合?

今度はエゴ(支配)という側面から考えてみましょう。

仮にエゴが完全に消失し、まったく意志を失ってご主人様と溶け合ったとしたら?
哲学的な話になりますが、Mさんの世界はもう、そこで終わっているのです。

Mさんの意識=Mさんの考えていること
Mさんの意識=ご主人の考えていること

に変わっている状態です。
自我がないので、個人としては死んでいる状態に近いでしょう。

耽美な小説の世界みたいですね。
ですが、現実的にこの境地に辿り着くことはほぼ無さそうな気がします。

もちろん、ご主人様と一緒にいる間、エゴが一時的に消失することはあると思います。
最たる例はプレイ中です。
肌を重ねてどろどろに溶けてしまうのはとても幸せな時間でしょう。

でも、離れた瞬間からまた一人ひとりの生活が舞い戻ってきます。

なので
「支配は無限に続かない」
という、身もふたもない事実もまたそこにあります。

SMと恋愛編: 主従関係は終わりを迎えるしかないのか?

現実世界でも、主従関係を模擬した関係を構築するカップルさんが大勢います。
現代では人身の自由を契約で縛ることは無理ですから、実態としては「少し特殊なルールを適用した恋愛関係」といえる形が殆どです。
通常の恋愛関係では男女平等ですが、主従関係ではS側上位という特徴があります。

主従関係の究極のゴールとして幸せな「SM婚」を迎える場合もありますが、逆に苦しむ場合もよく目にします。

「たとえ気持ちがつらくなったとしても、ご主人様にそんなことは言えない…」

主だから、従者だから…その無形の概念が、Mさんの苦しみにフタをする作用があるのです。


パターン1と2は、実際にありがちなSM的関係でもあります。
しかし、結論としては「どちらもずっと続けるのは辛いのでは?」というものです。

SMをきっかけに出会った男女が、末永く一緒に居たい…と思い、それを実現することは不可能なのでしょうか?

SMと恋愛編: まとめ…二人きりの幸せ

最後に、より一般的な幸せをSMという関係性から引き出せないのか?を考えます。

エロや支配といった普遍的なSMイメージから離れた「調教」への答えとして、次の言葉を繰り返し伝えたいと思います。

無意味なモラルからの解放こそが調教の目的である

で、実際これをずっとやってるとどうなるのか?
つまり「調教完了」した場合、どうなるのか?

その答えは…MさんがMではない「普通の人」になります。
変な罪悪感とか、尖った感情のコントロールが身についてくるので、当然と言えば当然です。

え、そうなったらSMとか関係なくなっちゃうじゃん?と思うかもしれませんが、その通り。
そこでSM的関係は終わりです。無理してプレイをする必要はありません。

それでいいんです。
調教し続けなくても、主従関係であり続けなくても、いいじゃないですか。

普通の人になって、なお一緒に居続けたいなら、改めて恋人同士になればいいだけの話です。

そう。

「主従関係であり続けること」

にこだわるのは、無意味だと僕は思っています。
幸せは、どんな関係から引っ張って来てもいいんですから。

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