僕がSMにめざめたきっかけ

僕のこと

こういうサイト(SM)を立ち上げた”きっかけ”については興味を持たれることが多い。
実際、そこにはやっぱり性癖を目覚めさせた女性の存在がある。

なんにしても、僕はいつも気恥ずかしくて細かいエピソードは話さない。
しょうがないから文にして書いておこうと思う。
興味のある方はコレを読んで、僕に直接聞くのは少なめにしてください。

Aという女の子

昔々、Aという女の子と少しだけ付き合った。
僕の直接的な「SMの目覚め」につながったのはこの子だ。

Aとの出会いはほとんど偶然で、たまたま共通の知り合いがいたので深い仲になった。
でも、この知人にはそれほど深く関わったことはなかったので、お互いのことはほとんど知らないままだった。
Aは古着系の個性的なファッションをしていた。
茶髪のロングで、小柄で、人懐っこい。メイクだけは王道を抑える感じで、変に浮いていたりはなかった。


当時僕たちは某地方都市に住んでいた。道に人通りはまばらで、セミやらコオロギやらの声が時々聞こえた。
すれ違う人が途切れるたびに、Aはタバコに火をつけて吸った。確かハイライトメンソールだった気がする。
仕事はできるけど、生活はだらしないタイプで、部屋の中には仕舞いきれない服が散らかって荒れていた。

Aは機嫌が芸能人がどうとか、昨日見た夢がどうだったとか、たわいもないことをよくしゃべった。酒まで入って、風呂にも入らなければメイクも落とさず、そのまま寝るときもあった。
Yとは打って変わって生命力が強いのか、すさんだ生活をしても肌にできもの一つできなかった。

言葉遣いは田舎特有の荒っぽさで、僕の方が年上だったが敬語は一度も使わなかった。
夜更かししてタバコを吸い、僕に悪態をついた。エッチのときも雰囲気を作ろうとせず、別に私はしたくないし、と渋り、とにかく反抗的で悪態ばっかりついていた。僕といたのは、人並みの淋しさがそうさせていただけだろう。実家はあまり折り合いが良くないみたいで寄り付かなかったけど、稼いだお金は渡していた。介護にお金が必要だから、とAは言っていた。

ある夜、僕は久しぶりにAと会った。若いし、久しぶりだから性欲も溜まってムラムラしていた。
でもAはやっぱり、気の乗らない返事をしたり、むやみに夜更かしをしてベッドには来なかった。
しまいには電気を消して、携帯電話をいじっていた。
無意味に画面をスクロールさせ、顔つきはひどく寂しそうだった。

僕は言うことを聞かないAと、勝手に寂しそうにしているAにイライラして、つい
「何してんだ、早く来い」
ときつい口調で言った。そうしたら、Aはハッとした感じで
「ハイ」
と答えた。
そんな丁寧な返事は聞いたことがなかったし、トーンだって違っていた。

Aは素直に、そそくさと服を脱ぎ、僕のもとに駆け付けた。
僕がきつい、命令口調で話したのはこの時が初めてだ。
Aは自分勝手にふるまいたかったわけじゃなく、誰かに従わされたかったんだと思う。

僕に従ったシーンは明らかに「やられる」という場面で、その時Aは異常に濡れていたし、腹の底から絞り出すように喘ぎ続けた。
明け方、寝落ちの前に「優しくされなくていいの」とAは小さくつぶやいた。

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