人はなぜ快楽を求めてしまうのか?
快楽は欲求が満たされたときに生じる感情や感覚です。
例えば、美味しい食事をしたり、好きな人と一緒に過ごしたりすると快楽を感じます。
性欲と性的快楽は言わずもがな。言い換えとしては「心地よさ」や「満足感」などの言葉があります。
そして、人間は快楽を求める動物です。
なぜ求めてしまうのか?快楽は、生存や繁栄のために必要だからです。
気持ちいいことだからしたい。
たくさん美味しいものを食べて、たっぷりとエッチもしたい。
これが繰り返されると、子孫ができて繁殖できます。
人間が人間として役目を果たせるように、快楽と言うシステムが体に組み込まれて、僕たちは快楽を追いかけるように宿命づけられているのです。
心と体の快楽は別?
快楽のうち、特に性的なものは体の快楽と呼ばれ、世間的には微妙な扱いを受けますが、実のところみんな大好きです。
なぜかって、それは人間に備わっている自然なシステムだから。
体の快楽は視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚などの体の感覚…五感を通じて即物的に得られます。
では心の快楽もあるのか?というと、それはどちらかというと「幸福」の概念で表されるでしょう。
つまり快楽は短期的な欲求とそれを満たしている感覚であり、幸福はより長期的な意味での充実感となります。
心と体の幸せが別物であるように聞こえるかもしれませんが、二つを分離して考えることはできません。
体が気持ちいいと心も気持ちよくなります。心が気持ちいいと、体も気持ちよくなりやすい。
気持ちよさや幸せを感じる根本的な理由は同じです。
それは快楽物質が分泌されるからなんです。
なぜ快楽を感じるの?
快楽は、脳内で特定の物質が増える(分泌される)ことで感じるものです。
人間の身体はとっても不思議。
状況に応じて快楽物質が増えたり減ったりするんですね。
以下は、代表的な物質とその作用です。
ドーパミン:
「気持ちいい」の基本的な要素です。
性的刺激で分泌され、短い時間で出て消えます。
目新しい出会いや恋愛でも分泌されるそうです。
エンドルフィン:
痛い時、苦しい時に分泌されます。快楽や鎮痛作用を示します。
エッチも最初はちょっと苦しくて、後から気持ちよくなってくるなどは、エンドルフィンも関係しているかも?
セロトニン:
結びつきや安心感から分泌され、気分を調節してくれます。安定した、リラックス感をもたらしてくれます。
オキシトシン:
抱きしめる、触れるなどの肌の接触ではオキシトシンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
別名愛情ホルモンで、信頼や絆を感じさせる物質です。
アドレナリン:
リラックスとは逆の、興奮状態を誘うホルモンです。
緊張感を感じた時に出て、緊張に立ち向かう体勢を整えます。
初めてあった人や、SM的なプレイの前には感じやすいでしょう。
アドレナリンが引いていくときは、爽快感や深いリラックスを感じます。
粘膜で感じる性的快楽と肌の接触で感じる快楽
ひとつ前で紹介した快楽の要素を見てもらうと分かると思いますが、粘膜の接触と皮膚の接触で異なる快楽を感じることができます。
粘膜の接触では、オーガズムのように短く強い快楽が得られるのに対して、ハグなどの皮膚接触ではゆるやかに尾を引くような幸福感を感じます。
抱きしめられると幸せを感じるというのにも、こんな理屈があるんですね。
おそらくマッサージなどではオキシトシンの比率が増え、満足感のようなものが得られやすいでしょう。
同時にセロトニンが出ることで、心身のリラックスやストレス解消など、たくさんの利点が得られます。
余談ですが、エッチなことをする際には体が動きます。
これには軽い運動のような効果があり、血行が良くなったり爽快感が得られたりします。
女性ホルモンも分泌されて、お肌の調子も良くなり、いいことだらけです。
遊んでいる女性がつやつやしているのは、このような効果が日常的に得られているからかもしれません。
性感マッサージについての記事はこちら
より詳しく性にまつわる快楽を分類する
今まで紹介したものと、その他の性行為にまつわる快楽についてリストにしてみると、次のようなものがあります。
性的快楽: 性的な接触や行為を通じて感じる快感
陶酔感: スリルや高揚感を味わうこと
運動: 運動をして達成感や爽快感を得ること
繋がり: 人とのつながりやコミュニケーションを通じて感じる快感。所属、自己肯定感
達成感: 受け入れられる成功体験に伴う快感
快楽を感じられないのはなぜ?
快楽について紹介してきました。
健康的な方法で快楽を得ることはいいことです。生きやすくなるし、生活が充実します。
記事を読んでなるほど、と思った方もいれば、快楽という言葉にまだ馴染めていない人もいるかもしれません。
直接的に快楽と書かれると、良くないものという気持ちを抱いたり。
あるいは「体の快楽だけの関係じゃイヤ!」という反論もありそうです。
でも、快楽は快楽で得たらよいのです。
気持ちよくないよりは気持ちいい方がいいじゃないですか。
その外側に不安やリスクがあるから、快楽だけじゃイヤとなります。
長期的に安定した関係を望めない不安や、快楽を得るためのリスクが見合わないと感じるわけですね。
ストレスのある状況下や、リスクや罰がある状況下での快楽の感じ方はまた複雑に絡み合っています。
この辺もいつか語れたらよいなぁ。
不安感、緊張感、トラウマなどで快楽を感じにくい悩みがある方は、ページ下部の悩み相談や体験もご利用ください。
読んで頂いてありがとうございました。
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